「良い写真」を撮る為に

ひとたびカメラを手にすれば、プロアマ関係なく誰しもが「良い写真を撮りたい」と思うでしょう。


では「良い写真」とはどのようなものかと言うと、写真のジャンル、カメラマンのセンス、クライアントのセンスによって様々に変わり、一口に「これだ」というのはなかなか難しいかも知れません。


人物写真だけに限っても「良い写真」の条件は色々かと思いますが、ひとつ最低条件があるとすれば”被写体がどれだけリラックスできているか”という点です。


スマートフォンで写真を撮る事がこれだけ当たり前になった世の中においても、撮られる事に慣れている人というのはそう多くないのが実情です。

アマチュアの方が友達同士で撮る分には関係の無い事ですが、プロのカメラマンであればその日初めて会った知らない人を撮影する機会の方が多いでしょう。

相手がプロのモデルさんであればさほど問題はありませんが、大抵はそうはいきません。

そんな場面で相手のリラックスした表情をいかに引き出してあげるかは、カメラマンの力量にかかってきます。


プロのカメラマンでも「はい、笑ってくださーい」と声を掛けて撮る人はいますが、知らない人から笑えと言われて笑える人は撮る側が想像している以上に希少です。

家族写真で、明らかに緊張気味でひきつった顔で写っているお父さんを見て

「お父さん顔こわばってるねー」

なんて思い出として笑ってくれる人もいるでしょうが、それが写真として良いものと言えるかは疑問です。


プロとしてどんな相手でもリラックスした自然な表情の写真を撮る為には、声の掛け方ひとつでもそれなりの戦略を考える必要があります。